まず仙台厚生病院・呼吸器センター長の本田芳宏先生による睡眠時無呼吸症候群の一般的な講演で、症状・診断・合併症・治療などについて説明がありました。実際に患者さんが寝ていて無呼吸に陥ったビデオを交え、分かりやすくお話いただけました。睡眠時無呼吸症候群では睡眠が妨げられるので一日中疲れて眠い傾向にあり、夜布団に入るとすぐ寝入ってしまうのが一般的ですが、寝ると苦しくなるのでかえって不眠症になることもあるそうです。
睡眠時無呼吸症候群では血糖や血圧が上がりやすく、糖尿病がないかどうかチェックすることも必要だということです。
次に旭ヶ丘ジュン歯科・院長の柏崎潤先生の講演でしたが、先生は睡眠学会に歯科医としては早くから加入されており、睡眠時無呼吸症候群の治療も積極的に行っておられる先生です。
初めて歯科の先生のご講演を聴き感銘しました。
主に口腔内装置(マウスピース)での治療で、軽−中等症の睡眠時無呼吸症候群に良好な成績を収め、実際の改善率のデータもお示しになりました。それによると1時間当たりの無呼吸と低呼吸(呼吸が止まる一歩手前)の回数の改善率が50〜60%で、イビキへの有効率は70〜80%だそうです。当クリニックへもイビキに悩んで来られる患者さん(特に女性で、恥ずかしくて友人との旅行にも行けない)が時々ありますが、先生に個人的に伺うとイビキにもマウスピースが効果的だそうです。
治療にかかる料金は、一般的な場合、4−5回の通院を含めて(保険が使えて)17,000円くらいだそうです。ただ歯の具合が悪かったり、歯槽膿漏がある場合はそちらの治療を済ませてからのほうが良いそうです。
最後に私がメタボリックシンドロームとの関連でお話しました。睡眠時無呼吸症候群では80%に肥満がみられ、また高血圧や心筋梗塞・脳卒中が合併しやすく、メタボリックシンドロームに睡眠時無呼吸症候群が合併しやすいことも十分予想されます。睡眠時無呼吸症候群の治療により、実際通院中の患者さんで血圧の高い人はかなり血圧が下がり、高血圧の薬が減った人もいます。
飲酒との関連では、
外来で睡眠時無呼吸症候群の検査をした際、飲酒した晩としない晩の2日間で調べてみると、飲酒した晩は無呼吸が1.7倍多く出現することが分かりました。よく「飲酒した晩はイビキがうるさい」といわれますが、無呼吸になりやすい下地が飲酒でできてしまうようです。無呼吸のある人は飲酒を控えたほうが良いようです。
最後に質問を受け、終了しました。
なお会場では無料で睡眠時無呼吸症候群の簡便な検査をするサービスを受け付けたところ、10数名から申し込みがありました。こうしたサービスは早期発見につながり、できれば今後も続けていきたいと思います。